ハゲは悩みの種のひとつですね。ただ、ハゲといってもいろいろな原因があります。もし、本気で治そうと思ったらその原因に応じた方法を取らなければいけません。

中でも若いうちから抜け始めるAGAは深刻でしょう。ただし、近年その研究が進み、しっかりした治療法が出ているのもこのAGAです。

AGA とは

AGAとは、男性ホルモン型脱毛症のこと

AGAは別名を「男性型脱毛症」といいます。「androgenetic alopecia」の略で、これを直訳すると、「男性ホルモン型脱毛症」となります。

実際の症状としては、男性ホルモン型脱毛症からくるイメージのほうが近いでしょう。つまり、男性ホルモンの作用によって、頭髪が細くなり、薄毛や抜け毛につながります。

発症するのは早ければ20代です。また、ハゲ方には前頭部の両わきが後退していくM型と、頭頂部から薄くなるO型があります。あるいは、両方同時に進行するパターンも珍しくありません。

AGAの髪の毛は成長期が短い

髪の毛は休止期・成長期・退行期という3つの段階を常に繰り返しています。順に、毛穴には毛のない時期・どんどん伸びている時期・毛穴に残ってはいるが伸びなくなっている時期です。

これはほかの体毛も同じですが、髪の毛の特徴はこのヘアサイクルの中での成長期が長いことです。ほかの体毛は3カ月程度なのに対し、正常な髪の毛は2年から6年も伸び続けます。

ところがAGAになると、髪の毛であるにもかかわらず成長期が3ヵ月程度しかありません。ほとんど育たず、太く長くなる前にすっと抜けてしまうのです。これが前頭部や頭頂部でまとまって起こるので、薄毛やハゲになってしまうわけです。

AGAの原因は?

なぜせっかく生えて来た髪の毛がそんなにも短命に終わってしまうのかは、いくつもの理由が挙げられています。おそらくは、それらが互いに影響しあっているでしょう。

しかし、AGAの最も特徴的な原因として挙げられるのは、遺伝です。

まず、AGAになるかどうかのカギを握っているのは、5αリダクターゼとアンドロゲンレセプターというふたつの酵素です。

最初に5αリダクターゼが、男性ホルモンの一種でだれでも普通に持っているテストステロンを分解します。これでできるのが、ジヒドロテストステロン(DHT)です。さらにこのジヒドロテストステロンがアンドロゲンレセプターと結びつくとTGF-Bができ、これが髪の毛の成長期を短くしてしまいます。

このアンドロゲンレセプターがどのくらいジヒドロテストステロンと結びつきやすいかは、個人によって差があり、しかも遺伝でほぼ決まってしまいます。また、結びつき易さを決定する遺伝子情報は、母親から譲り受けるX染色体に書き込まれていると見られています。そのため、父方よりも母方にAGAがいるほうが、子どももAGAになる可能性が高くなります。

これに食生活の乱れやストレスなどが加わると、いっそうAGAが発症しやすくなります。

AGAとハゲの違い

AGAもハゲの一種といえば一種です。もし、ほかの言い方をするとすれば、最も近いのは「若ハゲ」でしょう。もちろん、若ハゲにもいろいろなパターンや原因があります。ただ、今まで若ハゲと呼んでいたものの多くはAGAだったと考えていいでしょう。

また、最も単純に「ハゲ」と呼べば、加齢によるものを指しているようです。つまり、老化現象によるハゲです。これは明らかにAGAとは別のものです。

AGAは女性もなるの?

日本語でいえば「男性型脱毛症」だからといって、女性にAGAがないわけではありません。

女性も男性ホルモンを分泌しており、テストステロンやジヒドロテストステロンが作られることも変わりありません。ただし、濃度はかなり低いです。また、男性よりも分泌量の多い女性ホルモンが、逆に髪の毛を育てる働きを持っています。

これらふたつの理由で、AGAになるとしても、かなり症状が軽く、ハゲるというよりもやや薄くなる程度です。

ただし、加齢などで女性ホルモンの分泌が減ると、AGAが表に出てきて、髪の毛がさらに薄くなったりハゲたりします。こうなるのは早くて35歳前後と、男性の場合よりも遅くなります。

また、一時的にはストレスや生活習慣の乱れなどで女性ホルモンが減少し、同様の症状になることがあります。

AGAは治るの?

AGAは治療の対象です。つまり、病院で診てもらうことができ、症状の改善も期待できます。診療科としては、皮膚科・形成外科・美容形成外科もあれば、AGA治療専門のクリニックもあります。

飲むAGA治療

飲むAGA治療薬、つまり内服薬としてはプロペシアが有名です。このプロペシアも含め、有効成分としては多くのものはフィナステリドが配合されています。これは5αリダクターゼの働きを抑えます。

ただこれ単独で際立った効果を発揮することはまれです。外用薬などを併用するのが一般的です。また、効き目には個人差も大きいです。

頭皮へのAGA治療

・塗る

外用薬の成分の代表としては、ミノキシジルがあります。もともとは血管を拡張し、血圧を下げるための成分として開発されました。

頭皮に塗るとやはり血管が広がり血液の量が増えます。毛母細胞なども活動が盛んになるため、増毛につながります。市販の発毛剤・育毛剤として知られている「リアップ」も主成分はミノキシジルです。

・注射

皮膚の上から塗って、成分の浸透を待つのでは効果が発揮するまでに時間がかかります。また、使える成分にも限りがあります。そこで、注射で直接頭皮の中に成分を送り込む方法が開発されました。「育毛メソセラピー」「毛髪再生メソラピー」などと呼ばれます。また、この注射の行為を「カクテル注入」と呼ぶところもあります。

これでも有効成分としてはミノキシジルが用いられることが多いものの、それだけではありません。分裂・成長する能力の高い幹細胞から取り出した成長因子を同時に配合することがほとんどです。これはまだ発展途中のやり方で、多くのクリニックなどが独自に成長因子を選んでいます。

たとえば、毛母細胞の分裂を促すもの、血管が失われたところに血管を再生させるものなどです。
この成長因子を注入するやり方を特に「HARG療法」などと呼ぶクリニックもあります。

クリニックのやり方にもよりますが、1カ月程度の間隔を空けて、半年から1年ぐらい通院することが多いようです。

植える

ハゲてしまった部分に、後頭部や側頭部など、自分の体のほかの毛の生えている部分から移植する昔ながらの方法が取られることもあります。単純にいえば自毛植毛です。

「せっかく移しても、また抜けてしまうのでは?」と心配する人も少なくないようです。移してきた元の部分の皮膚の性質がそのまま残るため、そう単純に抜けることはありません。ただし、皮膚や髪の毛が落ち着くまで、手術後1年ぐらいかかることが多いようです。

AGAをチェックするには

AGAの診断方法は自分自身でやるものもよく紹介されていますが、やはり医師による診断を受けるほうが確実です。診療科としては皮膚科かAGA治療専門クリニックがいいでしょう。

問診と視診を組み合わせ、総合的に判断することになります。問診では「血のつながった人たちにハゲがいるか、どういったハゲかたか」などを尋ねます。状況によっては食生活や生活習慣についても尋ねられるでしょう。視診では肉眼だけではなく拡大鏡などもよく使われます。

また、遺伝子検査をする場合もあります。ただ、これも「AGAになりやすいかどうか」が判断できるだけで、これ単独で診断を下すことはありません。

まとめ

AGAの対策は早めに取り掛かるようにしましょう。

先に申し上げたように、髪の毛の成長期が短くなるのがAGAです。それを放置しておくと、さらに短くなり、最後は全く生えなくなります。こうなって、発毛機能が失われてしまうと手遅れです。

また、フィナステリド(プロペシア)には、性欲減退などの副作用の報告もあります。さらには、服用をやめたあとにもその性欲減退が続いたり、うつ状態になったりする症状も懸念されています。これはポストフィナステリド症候群と呼ばれます。

こういった副作用などについてはまだよくわかっていません、しかしながら、医師の指示をしっかりと守って薬を使い、少しでも異変があったらすぐに報告するようにした方がいいことには間違いないでしょう。