ハゲ・薄毛に悩んでいるのならば、早めにAGA治療専門クリニックなどの医療機関に行くようしましょう。この分野の治療方法のものすごく進歩しています。効果もそれだけ期待できます。なかでも、どのクリニックも独自の方法を競っているのがHARG治療(HARG療法)です。男性のみならず女性のハゲ・薄毛の治療法としても有効です。

HARG治療 とは

HARGとは、「Hair Re-generative theraphy」の頭文字をつないだ言葉で、「ハーグ」と読みます。日本語に直すと、「毛髪再生医療」です。つまり、最先端の医療技術である再生医療を利用して、発毛・育毛を実現します。

再生医療とは

再生医療とは、事故や病気で失った体の組織や臓器を、患者自身の体内にある特別な細胞や組織を使って再生し、その機能を取り戻すものをいいます。ES細胞やiPS細胞といった分裂する能力が高く、また、そこから体内の様々な器官に変化する能力の高いものが作られるようになったことから、現実の医療技術としての道が開けてきました。

これらの細胞を体外で増やして、その細胞そのものや細胞から抽出した成分を本人の体内に戻すことで、戻した細胞を分化させたり、残っている細胞の能力を高めたりします。すでに脳溢血などで損傷した脳細胞や血管を再生するような形で実用化されつつあります。

HARG治療のカクテルとは

HARG治療を理解するには、幹細胞・AAPE・成長因子といった用語を知っておく必要があります。

まずは、幹細胞です。体の中にあって、分裂・増殖する能力の高い細胞をいいます。これを人間の脂肪組織から取り出します。ほかの多くの再生医療の場合、自分自身の細胞を使いますが、HARG治療の場合は精密な検査をして問題のなかったほかの人のものです。

それを精製し、上澄み部分の中から抽出したのがAAPE(Advanced Adipose-derived stem cell Protein 、幹細胞抽出増殖因子蛋白質)です。名前からわかるようにたんぱく質の一種です。

この中に150種類を超える成長因子が含まれています。発毛・育毛の効果を直接発揮するのはこの成長因子です。次のようなものが代表的です。

・KGF(発毛促進因子)=細胞分裂を盛んにする。
・HGF-1(幹細胞増殖因子)=休止期にある毛母細胞・毛乳頭を成長期へ進ませる。
・VEGF(血管内皮細胞増殖因子)=新しい血管ができ、血行がよくなる。
・bFGF(線維芽細胞増殖因子)=血管の質を向上させる。
・IGF(インスリン様成長因子)= 細胞に働きかけ、増殖や分化を促す。

このように再生医療の効果を発揮してくれるAAPEを中心に、ビタミン類など毛母細胞の栄養になるものを加えた液剤をカクテルと呼びます。このカクテルを頭皮に注入することで、活動が停止していたり鈍っている毛母細胞や毛乳頭を再生させ、頭皮の環境を整えるのがHARG治療です。

また、ビタミン類などの栄養素に、発毛・育毛効果のあるミノキシジルなどの成分を混ぜて頭皮に注入する施術も、「カクテル注射」といった言い方をします。成長因子を薬剤に使っていなければ、HARG治療ではありません。しっかり区別するようにしましょう。

カクテルの注入方法

注入する方法としては、注射器を使う場合もあるものの、シンプルなやり方では、針が刺さるときだけではなく、液剤が皮膚の中で固まるせいで注射が終わってからも痛みが続きます。こうなるようではカクテルの効果も十分に発揮できません。そのため、様々な方法が開発されています。

・パピュール法=注射器で表皮と真皮の間にカクテルを注入します。痛みがあるものの、麻酔を使ってそれを和らげるのが一般的です。また、注射針は一般的なものに比べ極端に細いものが使用されます。即効性があるのがメリットで、今のところ最も一般的な方法です。

・MEDJET(メドジェット)=炭酸ガスを高圧で吹き付け、その浸透力を使って皮膚にカクテルを侵入させます。注射の場合に比べ、「3割程度の痛みになる」とされます。また、対象となる頭皮に部分部分の偏りなくカクテルを効かせることができます。

・ダーマローラー法=目に見えるかどうかぐらいの細い針が付いたローラーを頭皮の上で転がします。先に薬剤を散布しておくことで、この細い針が空けた穴からカクテルが侵入します。この針の刺激で頭皮の血行も同時によくなります。痛みがあるのがデメリットです。

・フラクショナルレーザー=レーザー光線で無数の小さい穴を頭皮に空け、そこからカクテルを染み込ませます。穴の深さや数は調整できます。痛みはほとんどありません。

HARG治療 費用

保険

HARG治療は健康保険の適用外です。美容整形と同じく、病気の治療とは認められていません。また、自由診療といって、クリニック側で診察費などは自由に決めることもできます。

そのため、まったく同じような内容であっても高いところと安いところが出てきます。「高いところほど高度な治療をやっている」というものでもありません。単に経営方針であることのほうが多いです。そこそこの高額になることは承知しておきましょう。また、治療は長期になるので、途中で資金切れにならないような注意も必要です。

ただし、一部に例外があります。皮膚疾患などの症状のひとつとして、ハゲ・薄毛になった場合もあるでしょう。この場合は、その主な疾患とまとめて健康保険が適用される可能性があります。

医療費控除

医療費控除とは確定申告の中の手続きのひとつとして用意されています。税務署に税金の計算の元となるデータを届け出ることで、前年の1年間にかかった医療費のうちの一定額が還付金という形で戻ってきます。

「生計を一緒にしている家族全体で、1年間で10万円を超える医療費を支払った場合のみ適用。あるいは、税金を納めている人の総所得額が200万円未満の場合は、総所得額の5%を超えた場合に適用」といった決まりがあります。

ハゲ・薄毛治療の場合に最も問題になるのは、「病気の治療や診療にかんする費用」飲みが認められる点でしょう。つまり、健康保険の適用と同じような考え方になっています。ただし、届け出る相手の税務署によってバラツキがあるようで、認められる場合も出てきました。HARG治療は高額になることが多いので、最寄りの税務署に一度確かめて見る価値はあるでしょう。

HARG治療 デメリット

HARG治療 痛み

特にパピュール法で注入する場合に痛みが問題になります。ただし、いろいろな種類の麻酔も使えるので、痛みが気になる人は担当医に相談するようにしましょう。また、クリニックによっては、「カクテルや注射針の工夫で大幅に改善し、ほとんど痛みはなくなった」としているところもあります。

HARG治療 初期脱毛

HARG治療を受け始めて1カ月かそれを過ぎたぐらいで、一時的に抜け毛が多くなることがあります。これを初期脱毛といいます。ただし、たいていは1カ月ぐらいで終わります。また、まったく出ずに右肩上がりに髪の毛の状態がよくなる人もいます。

ただ、こういった初期脱毛はHARG治療に限らず、ハゲ・薄毛治療一般に見られるものです。もし、初期脱毛の症状が見られても、「ヘアサイクルが正常化に向かう過程のひとつ」と考え、悩みすぎないようにしましょう。

HARG治療 期間はどれくらい受ければいい?

これもほかの治療方法と大きくは違いません。まず、最初は半年ぐらい続けるのが基本です。HARG治療の場合、4週間に1度程度カクテルを注入するので、この間に6回程度通院することになります。多くの場合、すでに変化が現れているはずです。

期待したほどの効果がない場合、そのまま治療を継続するかどうか一度判断をすることになるでしょう。

HARG治療 持続する?

HARG治療でえられた効果の持続力が気になる人もいるでしょう。HARG治療は眠っていた毛乳頭や毛母細胞を目覚めさせる治療方法です。これらがいったん目覚め、ヘアサイクル(毛周期)が正常化したならば、そこからは治療をやめても効果は持続すると考えていいでしょう。

HARG治療 M字に効果はある?

HARG治療は額が両わきから後退するM字ハゲにも効果を発揮します。特にどの部分だから、不得意ということはありません。

ただし、ハゲ始めてからあまりに長い期間放置している場合は要注意です。すでに毛乳頭・毛母細胞が機能を失っているとほとんど期待できません。ほかの治療方法でもこれは同じです。あとは植毛などを検討するしかないでしょう。

まとめ

プロペシアなど内服薬による治療方法に比べて、HARG治療は費用がかかるのは確かです。ただし、一定レベルまで効果があれば治療をやめることができます。これは、内服薬の場合は効果を維持するには服用を続けなければいけないのに比べて大きなメリットでしょう。一見安く見えても、ずっと出費は続きます。また、内服薬が副作用の心配があるのに対し、HARG治療は副作用がないのはもう一つの大きなメリットです。