AGA治療には、プロペシアやザガーロといった内服薬も使われるようになってきました。たしかにそれで満足の行く結果を得ている人もいます。一方で、あまり変化のなかった人もいます。あるいは、「副作用が心配で使いたくない」という人もいるでしょう。そういった場合は漢方薬による治療も考えてみましょう。

漢方由来の育毛、発毛成分は多い

漢方薬にも内服薬に用いられるものと、外服薬に用いられるものがあります。外服薬とは、つまり頭にふりかける育毛剤・養毛剤です。

市販の育毛剤・養毛剤には、いくつもの種類の生薬が配合されているものが珍しくありません。ニンジンエキス、オウゴンエキス、カンゾウエキス、チンピエキスなどです。実はこれはそのまま漢方薬の原料です。また、なかにはこれらの生薬が主成分になっていて、「漢方の育毛剤・養毛剤」としてアピールされているものもあります。あるいは、ヘアシャンプーに使われているものも珍しくありません。

おそらくは、外用薬なら漢方薬とは意識しないまま、すでに漢方薬のお世話になっている人は少なくないでしょう。どのくらい効果があるかは個人差があります。しかし、「効果があると評価されているからこそ使われている」ということは少なくともいえそうです。

東洋 医学のメリット強み

西洋医学との違い

西洋医学でAGAに使われる内服薬の代表はプロペシアです。また、ジェネリック医薬品として同じくフィナステリドを有効成分にしたものがいくつか発売されています。また、2016年になってザガーロも登場しました。こちらの有効成分はデュタステリドです。どちらの有効成分も、AGAが発症する途中の過程である、テストステロンがジヒドロテストステロン(DHT)へと変化するのを抑えます。

外用薬の代表は市販薬でもあるリアップでしょう。配合されている有効成分はミノキシジルで、頭皮の血流をアップさせることで効果を発揮します。

一方、東洋医学の場合は、「原因を直接取り除くのではなく、自然治癒力を上げるなど体全体のコンディションをよくする」といった方法で効果を発揮します。もちろん、それに使用されるのが漢方薬です。

特に薄毛・ハゲに対しては、血液の質や流れを改善する生薬が選ばれることが多いようです。東洋医学では、髪の毛のことを昔から「血余(けつよ)」と呼びます。「血液の余ったものが髪の毛になる」ということです。なので、「血液が改善すれば、髪の毛の状態もよくなる」とするのは無理のないところでしょう。また、ストレスを解消し、生命エネルギーを高めることも重視されます。

ハゲ に 効く 漢方薬

そのように、血液を改善、ストレスを解消、生命エネルギーを高めるような漢方薬には次のようなものがあります。

高麗人参 AGA

「漢方薬」と呼んだ場合、ひとつの種類の原料をいうのではなく、いくつかのものが配合されて名前がつけられています。それら原料のなかで最も重視されることが多いのが高麗人参(朝鮮人参)です。

また、漢方薬だけではなく、料理の材料にも使われています。とても高価なので、普段から食材にするのは難しいものの、機会があれば積極的にとるようにしましょう。ハゲ・薄毛に対しては次のような効果で改善が期待できます。

・血行促進=ハゲ・薄毛になった頭皮は硬くて薄くなっています。これでは血液も十分には回ってこず、毛乳頭や毛母細胞も栄養分を受け取ることができません。髪の毛は成長を止め、抜け毛も増えてしまうのは無理のないところです。高麗人参は全身の血行をよくしてくれます。もちろん頭皮も例外ではありません。これは特にサポニンという成分のおかげです。血管を広げ、血液もサラサラにしてくれます。
・抗酸化作用=高麗人参に含まれるサポニンは約40種と見られています。そのうちの一部に抗酸化作用があります。細胞がさびるかのように古びるのを防いでくれます。毛乳頭や毛母細胞も盛んに細胞分裂をし始めるので、それもまた発毛・育毛につながります。また、これらサポニンには精神を安定させる作用もあります。ストレスも軽くなるので、これもまた発毛・育毛にプラスです。
・髪の毛の原料供給=高麗人参には各種のミネラル・ビタミンのほか良質のたんぱく質が含まれています。これらは髪の毛の材料そのものになったり、髪の毛が育つ助けをしたりします。

桂枝茯苓丸(けいしぶくりょうがん) 髪の毛

ハゲ・薄毛対策だけではなく、血液のコンディション改善にもっとも広く使われるのが、桂枝茯苓丸です。主に5つの材料が配合されています。

・桂枝(けいし)=もっとなじみのある言葉でいえば、シナモンです。発汗・血流増加・鎮痛といった作用があります。
・芍薬(しゃくやく)=これにも血流増加・鎮痛があり、特におなかへの鎮痛効果が高いです。
・牡丹皮(ぼたんぴ)・桃仁(とうにん)=血液をサラサラにしてくれます。
・茯苓(ぶくりょう)=利尿作用があり、体内の水分調整に役立ちます。

サンザシ

北半球の温帯に分布するバラ科の落葉樹です。漢方薬にはその実が使われます。また、漢方薬として服用するだけではなく、ジャムやドリンクに使われることもあります。

かなり酸っぱい味がします。ポリフェノールの塊で、抗酸化作用だけではなく、胃腸の働きを整え、血行をよくし、コレステロール値を下げてもくれます。

葛根湯

風邪薬として知られている漢方薬で、主になっているのは、クズの根(葛根)です。ほかに桂枝(けいし)、芍薬(しゃくやく)、甘草(かんぞう)、麻黄(まおう)なども配合されています。

これらの相互作用で、血行を改善し、発汗を促します。また、分泌や代謝といった機能も高めてくれます。

十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)

東洋医学でいう「血(けつ)」と「気」を補います。血はそのまま血液のことですが、気は「目に見えない生命エネルギー」ぐらいの意味です。すべてといっていいぐらいどんな症状にも用いることができますが、特に疲労や衰弱からの回復が必要なときに重宝します。たとえば、がんなどでの大きな手術の後の体力回復にも使うことが珍しくありません。

漢方薬 ツムラ 薄毛

大手製薬会社で漢方薬にも強いところといえば、なんといってもツムラです。ただし、特にハゲ・薄毛、あるいはAGA対策としているものはありません。とはいえ、ツムラから出ているものの中から選ぶのであれば、次のようなものが実際には役に立つでしょう。

・血液を補うもの=十全大補湯(じゅうぜんだいほとう)、小柴胡湯(しょうさいことう)、当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)、加味逍遥散(かみしょうようさん)
・多すぎる皮脂を抑えるもの=黄連解毒湯(おうれんげどくとう)
・腎臓の働きを高めることで血液の質を上げるもの=補中益気湯(ほちゅうえっきとう)、八味地黄丸(はちみじおうがん)
・自律神経を整えることでホルモンバランスをよくするもの=柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)、桂枝加竜骨牡蛎湯(けいしかりゅうこつぼれいとう)

ただ、これらは自分自身で知識をつけるのもいいものの、実際に購入するときは漢方に詳しい薬局で薬剤師に相談に乗ってもらうようにしましょう。漢方薬はそれぞれの個人の体質に合わせて選ぶことが何よりも大切です。素人同士の口コミなどによる評判だけで選ぶのはむしろ危険です。

漢方に強いAGAクリニック

聖心毛髪再生外来

AGA

AGA治療専門クリニックのなかには、漢方薬までカバーしているところがあります。

たとえば聖心毛髪再生外来(聖心美容クリニック)の場合、漢方薬を処方できる専門医まで用意しています。やはりひとりひとりの体質やトラブルの種類に合わせて用意する必要があるのです。

といっても、漢方薬だけに頼るのではなく、通常の治療や西洋医学の医薬品とあわせて使う形です。そうすることで、「相乗効果が発揮され、いっそう治療が進む」という考え方です。

漢方薬による処方が受けられるのは、札幌・大宮・東京・横浜・熱海・名古屋・大阪・広島・福岡の9院です。
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まとめ

漢方薬の効果の出方は、「体質を変える」という言い方をしてもいいでしょう。それだけに、時間がかかるのは承知しておきましょう。

また、「漢方薬には副作用がない」と考えている人も少なくありません。これは間違いです。「穏やかに効くので副作用の可能性が低い」というだけです。やはり、素人判断で薬の種類を選んだり、のみ方を工夫したりするのではなく、十分な知識のある薬剤師や医師と相談しながら使うようにしましょう。